スマートファクトリーとは、工場内のあらゆる機器や設備、工場内で人が行う作業のデータを、センサーなどを活用して取得・収集し、それらのデータを分析・活用することで新たな付加価値を生み出せるようにする工場のことです。
これまで、制御機器やセンシング機器を接続してデータをやり取りする産業用ネットワークは、オフィスネットワークとの接続がされるポイントは少なく、独自のOSや通信プロトコルで構成されてきたことから、サイバーセキュリティ上のリスクはオフィスネットワークと比較すると少ないと考えられてきました。
しかしながら、最近では主に以下のような理由から、産業用ネットワークにおいてもセキュリティ対策に無関心でいられなくなる状況となっています。
- TCP/IPの利用
Windows などの汎用OS、TCP/IPなどの標準プロトコルが使われ、オフィスネットワークと接続されることが多くなってきた。 - 産業用ネットワークの情報をオフィスネットワークで分析
スマートファクトリー構想など制御システムから得られたデータをオフィスネットワークを経由して外部に連携し、分析結果を再びオフィスネットワークのI/Oを通じて制御システムにフィードバックするなど、外部とのI/Oが発生する機会が増えてきた。 - シャドーITの利用
だれでもが安く・手軽にWi-Fiをはじめとした機器を導入することができ、いわゆる「Shadow IT(OT)」が工場や制御システムの現場執行部門にも見受けられるようになってきた。