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セキュリティ用語解説

GPSジャミング(GPS Jamming)

GPSジャミングとは、米国の全球測位衛星システム(GNSS;Global Navigation Satellite System)の一種である、GPS (Global Positioning System)に対する電波妨害・偽装攻撃のうち、可用性(Availability)へ影響を及ぼす攻撃です。 

 

GPS衛星が放つ信号は、地上に届くころには減衰した微弱な電波となっています。そのため、その正規のGPS信号より強い信号強度かつ同一周波数の電波を攻撃対象に対して照射することで、GPS衛星からの正規の信号が受け取れなくなるという問題があります。 

 

GPSジャミングはこの問題を悪用して、正規のGPSの位置測位そのものを妨害します。攻撃自体は同一周波数の信号を強い信号強度で照射するだけであり、信号の内容に意味はありません。そのため、GPSに関する知識は不要であり、誰でも容易に攻撃を実行可能です。

 

近年は、ドローンにもGPSでの測位システムが搭載されているため、戦争目的で使用されるドローンをGPSジャミングによって墜落させる攻撃などが事例として存在します。 

 

GNSSにはGPSの他にみちびき(日本)、Galileo(欧州)GLONASS(ロシア)BeiDou(中国)、NAVIC(インド)などがあり、GPSジャミングと同様にGNSSジャミングという攻撃が知られています。 

 

図:GPSジャミングのイメージ

gps_jamming

 

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