お客さまのより便利で豊かな生活の実現に向け、ケーブルテレビ、高速インターネット接続、固定電話、モバイル、電力、ホームIoTサービスを中心に全国へサービスを展開するJ:COM。全国で550万世帯以上にサービスを提供するとともに、今後の新たな時代を見据え、デジタル技術を取り入れた新たなサービス展開にも取り組んでいる。
同社サービスの基盤の1つが「J:COMパーソナルID」だ。J:COMが提供するさまざまなサービスやアプリにログインするために必要なIDとなっている。
J:COMの情報システム本部 IT企画部 中藤 伸太郎氏は「J:COMパーソナルIDはその名の通り、デジタル空間でお客さま個人を特定し、弊社サービスやお客さまサポートのDXを促進していくにあたり、必要不可欠な基盤である」という。つまり単に不正利用を防ぎ、セキュリティレベルを高めるだけではなく、よりよいカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)を提供するための基盤という位置づけだ。
J:COMパーソナルIDに求められるのは、最新セキュリティ対策に追従しつつ、それとは相反するID登録やログインのしやすさ等の利便性の追求を継続的かつスピーディに行える柔軟性だ。こうしたビジネス要求に基づいて、J:COMパーソナルIDで用いていたハードウェアのサポート期限が迫ったことをきっかけに、システムの刷新に踏み切った。
単純なID基盤であれば、ハードウェアの入れ替えだけで済ませる選択肢もあった。しかし「高いセキュリティに加え、お客様により使っていただけるIDに育てていくことを考えると、システムの柔軟性が不可欠だと考えました」と、情報システム本部 IT企画部 石塚竜也氏は語る。
以前のID基盤では、新たに1つ機能を追加するにも個別のインテグレーションが必要となり、追加コストや時間がかかってしまうことが課題だった。デジタル時代にスピードは不可欠だが、新たな機能や企画提案が浮上しても、時間がかかるのではと消極的になってしまうこともあったという。ID基盤の再構築に踏み切ることで、そうした悩みを払拭したいと考えた。
「J:COMには、お客様と対面するフロントシステムの開発を担うアジャイル開発部隊があります。認証の部分をUni-ID Libraに任せ、我々が得意な開発の部分とNRIセキュアが得意な認証の部分をそれぞれ分担し、補い合うことで一つのシステムを作れないかと考えました」(中藤氏)
情報システム本部 IT企画部
中藤 伸太郎氏
情報システム本部 IT企画部
石塚 竜也氏