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第一生命カードサービス株式会社 様

導入事例

個人情報のセキュアな受け渡しとファイル送受信の自動化を可能にして大幅なコスト削減&業務の効率化を実現

第一生命カードサービス株式会社

第一生命保険グループの一員として、収納代行業務やクレジットカード事業を手がける第一生命カードサービス株式会社。収納代行業務では、約1,300社を対象に年間約170万件の振替業務を行っており、ここで用いられる膨大な個人情報の受け渡しには、きわめて高い情報セキュリティが要求されます。そこで同社では2014年10月、クリプト便オートパイロットオプションを導入。それまでの物理媒体に個人情報を格納して郵送や宅配便で送る手順から、セキュアなメールシステムによる送受信に全面移行し、より堅牢な個人情報保護の仕組みと、作業の自動化による大幅な作業コスト削減を実現しています。

木宮 睦仁 氏

収納事業部長

木宮 睦仁 氏

廣澤 東 氏

個人保険システム第三部
兼 ソリューション営業部
シニアシステム
クリエーター

廣澤 東 氏

ここが
ポイント

  • 外部委託していたデータ送付用物理メディアの管理が不要になり、年間200万円のコストを削減
  • APIにより業務システムとクリプト便をダイレクトに連携、送受信の作業効率を大幅に向上
  • 物理メディア固有のインシデントが減り、システム運用コストと担当者の心理的な負担を低減

導入の背景

不安要素の多い物理媒体からセキュアなデータ通信へ移行

第一生命カードサービス株式会社(以下、第一生命カードサービス)の主要な業務の1つに、生命保険および損害保険の保険料を対象とした収納代行業務があります。この業務では、収納代行の対象となるお客さまの個人情報が、取引先企業や保険会社から同社に送られ、その情報をもとに収納代行を実施。業務完了後に、再び送り返すといった処理が日常的に行われています。取引先は約1,300社、年間の振替件数は約170万件にものぼり、これまでも同社では情報セキュリティのさらなる強化に積極的に取り組んできました。

第一生命カードサービス 収納事業部長 木宮睦仁氏は、「従来は大量の個人情報を、郵送や宅配便でやりとりしていました。しかし、物理メディアに頼った授受にはセキュリティの限界があります。個人情報保護の重要性が日増しに高まる中、よりセキュアな方法への移行は急務でした」と、今回のクリプト便 オートパイロットオプション導入のねらいを語ります。郵送や宅配便では、物理的なメディアの破損や「着いた」、「着かない」といった行き違い、場合によっては紛失といった人的なミスや事故の可能性が否定できません。また遅延などがあれば、契約の約定日を過ぎてしまう懸念もあります。そこでこれをすべて電子データでのやりとりに移行し、統合・一元管理されたシステムとして強固な情報セキュリティを確保することで、根本的に解決しようと同社では考えたのです。

導入の経緯

大手保険会社での導入実績を評価しセキュリティ強化と省力化に期待

新たな個人情報の送受信システム導入を決めた第一生命カードサービスでは、さっそく第一生命情報システム株式会社(以下、DLS)に情報提供を依頼しました。DLSは第一生命グループ企業のシステムを幅広く手がけており、第一生命カードサービスのシステム要件も熟知しています。そのDLSが提案してきたのが、クリプト便オートパイロットオプションでした。

DLS個人保険システム第三部 兼 ソリューション営業部 シニアシステムクリエーター 廣澤 東氏は、提案の理由を「要件を完全に満たせるよう最初から開発すれば、数億円規模の投資になってしまいます。そこでさまざまな既存のソリューションを比較検討したところ、大手保険会社でこのクリプト便オートパイロットオプションが使われているのを知りました。さっそく精査した結果、必要十分な機能を備えていることがわかり、これを同じ仕組みで利用できないかと考えたのです」と明かします。

提案を受けた木宮氏も、DLSからの調査結果や運用実績などを踏まえて検討した結果、最重要課題である情報セキュリティの強化に有効だと判断しました。「さらにもう1つ、今回はこれまで物理メディアの授受に付随して発生していた多くの人的作業や工程を効率化し、省力化とコスト削減を図るねらいもありました。その点でもクリプト便オートパイロットオプションには期待できると感じたのです」。

2014年10月には最初の導入が行われ、まずは同社から取引先へのデータ返送がクリプト便オートパイロットオプション上に移行されました。さらに2015年2月からは取引先から同社への送付も移行が開始され、6月にはデータ授受に関するすべての行程が、全面的にクリプト便オートパイロットオプションへ移行されました。

導入の効果

導入・運用コストの大幅カットさらにインシデントの抑止効果も

今回のクリプト便オートパイロットオプションへの移行によってもたらされたメリットの中でも、特に注目すべきはコスト削減です。
「まず、導入コストの大幅な削減です。当初は郵送をすべて書留化することも検討したのですが、その場合、年間で約480万円も郵送費が増加してしまいます。それをメール送信で実現できた結果、郵送費の大幅増加を抑制できました」(木宮氏)。また以前は、データ送付に使う物理メディアの管理を外部企業に業務委託していたのがすべて不要になり、年間200万円のコスト圧縮が実現したといいます。

もう1つの大きなメリットは、省力化です。クリプト便オートパイロットオプションは、APIを介してお客さまの業務システムとクリプト便とをダイレクトに連携できる点が大きな特長です。この結果、お客さまは業務システム上のデータやファイルを直接クリプト便で送ることができ、送受信の作業効率が大幅にアップします。加えて、メールの送受信を組み込んだワークフローを構成して、ルーティン業務の自動化を図ることも可能です。


「すべてのデータをメールによる送受信に移行できた結果、これまでの郵送に比べデータ到着までが1~2日短縮されました。早く着いて早く処理できるため、作業自体のスピードアップはもちろん、効率化という意味での顧客満足度向上にも効果があったと考えています」(木宮氏)。

ちなみに同社で導入したクリプト便オートパイロットオプションには、NRIセキュアが特別に開発したGUI ベースの操作ウィンドウがモジュールとして追加されており、プログラミングの知識を持たない一般ユーザーが簡単に操作できる点も、作業効率のアップに貢献しています。

一方、廣澤氏は、今回の移行ではシステム管理の視点からも、大きなメリットが得られたと評価します。
「これまで毎月、この業務に関して発生したインシデントの統計と報告を行ってきました。クリプト便オートパイロットオプションを導入したことにより、物理メディアであるがゆえに発生していたインシデントが減少して、システム運用の間接コストと担当者の心理的な負担の抑制につながっています」。

今後の展望

セキュアなデータ授受の拡大とグループ企業への展開も視野に

木宮氏は、今回のクリプト便オートパイロットオプション導入の成果を踏まえ、「当社には、収納代行業務以外にも個人情報のやりとりが行われている業務がいくつもあります。これらを将来的にはすべてクリプト便オートパイロットオプションに取り込んで、よりセキュアで一元管理可能なデータ授受の仕組みを構築していきたい」と展望を語ります。

一方、廣澤氏は「今後は、2つの可能性を考えています。1つは、第一生命の関連企業に対して、今回のシステム導入で確立されたスキームを、他の第一生命グループ内企業に横展開していくこと。もう1つは、同様のビジネスモデルを持つ収納代行会社への外販を視野に入れたパッケージ化=利益創出の試みです」と将来の展開を語ります。


「さらなる情報セキュリティと業務効率化の推進に向けて」。今回の新たな情報セキュリティへのチャレンジが、第一生命グループ全体のデータセキュリティの一層の向上に貢献できる日は、そう遠いことではありません。

利用イメージ

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※本文中の組織名、職名、概要図は公開当時のものです。(2015年)

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セキュアファイル転送/共有サービス
「クリプト便」

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