エンタープライズブラウザ(Enterprise Browser)とは、企業のニーズに応じた高度なセキュリティ対策や管理機能を提供するエンタープライズ向けのWebブラウザです。ブラウザ自体のセキュリティ向上はもちろんのこと、ファイルのアップロードやダウンロード、コピー&ペーストなどのブラウザ上で行われる様々な操作の可視化や制限を機能として提供しています。VDI環境からの移行や、テレワークや外部委託によって発生する情報漏洩リスクを低減するために利用されています。
エンタープライズブラウザは、主に4つの機能を有します。
- 誰が、いつ、どのWebアプリケーションやWebサイトで、どのような操作をしたのかをログに残す機能があります。製品によっては操作画面のキャプチャまで残すことが可能です。
- アンチウィルス、アンチフィッシング、URLフィルタリング機能など安全なブラウジング環境を提供します。
- ウォーターマーク(透かし)として、操作しているユーザの情報を画面上に出すことで、パソコンの画面を撮影されて漏洩するといった行為の抑止力になったり、機密情報をブラウザ上に表示させずにマスクするような機能があり、内部不正対策にも有効です。
- ZTNAの機能やファイルを端末までダウンロードさせずに隔離されたストレージ領域で展開するような機能を持つ製品もあります。
図:エンタープライズブラウザの機能イメージ

エンタープライズブラウザは、セキュリティと生産性を両立させるための重要なツールとして、今後ますます注目されることでしょう。企業はエンタープライズブラウザを活用し、セキュリティリスクを低減しながら、効率的な業務運営を目指すことが求められます。