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株式会社タイミー 様

Prisma® Cloudの活用で部門を超えた協力と企業文化の醸成、セキュリティ強化を実現

株式会社タイミー

「『はたらく』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」というミッションのもと、「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイトサービス「タイミー」を提供している株式会社タイミー。スポットワークという新たなマーケットを生み出し、サービス提供開始からわずか6年となる2024年7月には東証グロース市場へ上場も果たしました。急成長する事業を支えるクラウド基盤のセキュリティを可視化し、より強固なものにするため、同社ではCNAPP(Cloud Native Application Protection Platform)ソリューションであるパロアルトネットワークスの「Prisma Cloud  (プリズマ クラウド)」を導入しました。当初は検討候補外だったという「Prisma Cloud」を採用することになった経緯や、現在のご活用状況についてお伺いしました。

課題

  • 部門ごとに異なるクラウドを利用しており、セキュリティ対応状況が不透明
  • セキュリティ対応基準が全社レベルで定まっていなかった

解決策

  • Prisma Cloudの導入により、クラウドのセキュリティリスクを可視化
  • Prisma Cloudのコンプライアンス・ポリシーにより全社のセキュリティレベルを統一

効果

  • 複数のパブリッククラウド上の設定ミス、コンプライアンス遵守、脆弱性検知などを1つのプラットフォームで実現
  • 現在のセキュリティリスクや対応状況について、経営層への説明がすぐにできる状態に
  • 可視化されたことで、各部門のセキュリティ担当者間でのコミュニケーションが活発化
  • 統一された基準・観点でクラウドの設定状態をチェック、議論ができ、セキュリティレベルを均一化

導入背景

部門ごとに異なるクラウドを利用し、管理もバラバラ。設定や脅威が見えにくい状態に

fig-3408池 徹氏(株式会社タイミー 情報システム部 リスク&セキュリティ管理 G)

 

池氏:

当社では、サービスとデータ基盤をそれぞれ異なるクラウド上で展開しており、管理やセキュリティ対策もそれぞれの担当部門ごとに行っています。部門ごとにセキュリティに対して知見のある社員が在籍し対応していたものの、セキュリティへの対応については、属人的になっている部分がありました。以前は、全社ポリシーなどが決まっていなかったこともあり、セキュリティ対応レベルは部門ごと、担当者ごとに異なり、どのような構成になっているか担当者は理解しているものの、他部門や経営層には見えにくい状態になっていました。また、優先事項の高い開発要件が発生するとセキュリティ対応が二の次になることもありました。2024年5月、社内にセキュリティ専門の組織としてリスク&セキュリティ管理グループの前身となるセキュリティを管理するグループが立ち上がり、セキュリティ全般に対応することになりました。その一環でまずは使用しているクラウドの現状を把握・可視化し、会社としてのガバナンスを実行するために、クラウドの設定ミスの診断やコンプライアンス順守のチェック、異常行動の検知、ネットワークの可視化を行うCSPM製品の導入を検討することになりました。

選定のポイント 

想定外の費用感とスピーディな対応により、検討候補外だったはずのPrisma Cloudを採用

fig-3438

池氏:

当初は、中小規模の事業者やスタートアップ向けのCSPM製品を中心に検討をしていました。もちろん、Prisma Cloudの評判は耳にしていましたが、「高機能だからこそ利用料が高額で、当社の予算感には合わないだろう」と思っていました。また、製品導入後も、柔軟で、手厚く、スピーディなサポートしてくれるセキュリティベンダーとお付き合いしたいと考えていました。そのような中、NRIセキュアさんには、社内で検討する際の比較材料として、「念のため見積もりを取っておこう」程度の気持ちで当初お声がけしましたが、実際に提示された見積りは、私たちが想定していた金額よりも一桁少なかったんです。機能面でも圧倒的だったので、「この費用でこれが使えるなら……」と期待を感じました。アクセス制御、監査ログ、コスト管理の監査ログなどはもちろんのこと、中小企業向けの製品ではまだ搭載されていないフレームワークもPrisma Cloudには既に搭載されていました。また、コンプライアンス・ポリシーが豊富でサポート体制が充実していることや、当社がいずれ導入を予定しているIDaaSともSSOが可能であること、CSPMのみならず、CWPPASM、DSPMなどの機能も備えていて、申し分ありませんでした。重視していたサポート面についても、想像以上にスピーディで手厚い対応をしていただき、初回の打ち合わせから1カ月後にPoCを実施することができ、2024年秋頃に本導入しました。

Prisma Cloudの運用イメージ図

fig01

導入の効果

セキュリティリスクの可視化を通じ生まれた部門間のコミュニケーション

fig-3350筑紫 淳一氏(株式会社タイミー エンジニアリング本部 データエンジニアリング部 DRE G)

 

羽矢氏:

全社セキュリティ部門であるリスク&セキュリティ管理グループでは、「Prisma Cloud導入によって現場での負担が増えてしまわないか」について懸念していたようでしたが、実際、プラットフォームエンジニアリング部門側では負担に感じることは、ほとんどありませんでした。むしろ、これまで属人的に行っていた取り組みを、サポート・強化するための手段が増えたように感じています。脆弱性が検出された際のトリアージのルールをどのように統一するか、ファイアウォールの設定をどのように見直すべきか、会社としてどこまで対応すべきかといった会話もしやすくなりました。上場直後で当社に対する大きな関心が集まっていた時期でもあり、社内でも「サービスやサービスを利用する方、会社を守らなければ」と、セキュリティリスク対策への機運も高まっていたので、このタイミングでこういった議論ができるようになったのは非常に良かったと思います。

筑紫氏:

もちろん中には、「セキュリティ対応をすることで、本来の業務の進捗が遅くなった」と感じるメンバーもいたかもしれませんが、PoC段階から私たちがカバーしきれていなかった脆弱性も検知されましたし、導入後もクリティカルなリスクが見えるので必要性について理解しやすい状態になっていたと思います。コンプライアンス基準について部内で話す機会にもなりました。

池氏:

これまでは、部門ごとに「どのような設定になっているのか」が見えづらく共有が難しかった点が可視化されたことで、部門内外でコンプライアンス基準に関するコミュニケーションを取れるようになりました。クラウドセキュリティの可視化のために導入したPrisma Cloudでしたが、異なる部門のコミュニケーションを行う土壌や文化、体制ができたことこそが最大の価値なのではないかと考えています。

今後の展望

CWPPやDSPM機能も活用しながら、セキュリティをさらに次のフェーズへ

fig-3447羽矢 純也氏(株式会社タイミー エンジニアリング本部 プラットフォームエンジニアリング1G)

 

池氏:

現在は、リスク&セキュリティ管理グループでPrisma Cloudを毎日確認し、対応が必要なものが検知された場合には、それぞれの部門と連携するフローにしていますが、事前に対応ができていたこともあり、緊急対応が必要な問題は発生していません。しかし、脆弱性が検出された際にも、緊急度が高いものなのか、受容できるレベルのものなのか、すぐに判断することができるようになりました。これまで漠然と感じていたセキュリティの不安について、しっかりと対策できていることを、自信を持って説明できるようになっています。

羽矢氏:

Prisma CloudはCSPM機能だけではなく、ワークロードの脆弱性診断や設定診断、マルウェア防御を行うCWPP機能やデータセキュリティ態勢管理などのDSPM系の機能が使える点も大きな魅力の一つです。今後はそれらの機能も徐々に活用していく予定です。クラウドインフラに対する不安がクリアされ、当社としてもリソースの余裕が出てきたので、今後は認証系やSASTDASTシフトレフト……と、他方面からセキュリティを高めていく取り組みも進めていきたいと考えています。

※本記事に記載の所属等の内容は、2025年3月インタビュー時点のものです。

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