現在、世の中のあらゆる業務は、何らかの形で情報システムとかかわり、あるいは情報システムを活用しています。出光興産では、石油の精製や販売を中心に、石油化学製品、電子材料、環境保全設備など、幅広く手がけていますが、これらすべての分野で情報システムを活用しています。そして、これら情報システムのほとんどは、千葉県市原市の計算センター(グループITセンター)で運用・維持管理されています。
同社の情報システム部システム品質グループグループリーダーの前原一氏は当時を振り返って次のように語ります。
「旧来は、基幹的な業務に限定してホストコンピュータ上のシステムを利用していましたが、オープン系システム技術の発達により、サーバへのダウンサイジングや新たな業務への情報システムの適用が近年になり活発に行われたことで、旧来は数台のホストコンピュータの管理で済んでいたものが、短い期間の中で数百台のサーバ機の運用・維持管理を行う状況に変化しています」
次々と新たな情報システムが増える中で、効率的な運用・維持管理の実現を目指しているものの、「急な展開に追いつくのに苦労しており、特に情報システム基盤となるサーバのOSやDBへの管理者や開発者によるアクセスに関する管理は、個々のサーバに対して人的な対応を行うしかなく、対象台数分(数百台)の管理可能なセキュリティレベルには限界がありました」と前原氏は言います。
このため同社では、効率的かつ効果的なサーバのアクセス管理策の導入は、情報セキュリティ管理上の主要課題となっていました。

情報システム部
システム品質グループ
グループリーダー
前原 一氏
「これまでは人に全面的に頼った管理でしたが、アクセス先や時間帯など含め、システムで制限し管理されるようになり、1カ所ですべて管理することで当初想定したより大幅に管理効率が良くなりました」