働く時間を楽しいものに。仕事に前向きに取り組み、より良い職場関係の構築に向けて
齋藤が籍を置くのはNRIセキュアテクノロジーズ(以下、NRIセキュア)の統制ソリューション事業部。自社開発製品である「SecureCube Access Check」のマーケティング・プロモーションのほか、営業に必要な資料の作成などを担当しています。
ブログやニュースリリースのための記事作成やセミナーの企画運営など、社外に向けた情報発信が私の主な業務です。新しい機能のリリースに伴い、営業資料の更新やわかりやすい動画の作成なども担当しています。
部には約20名が在籍していますが、今の私はサポートに近い立場。以前は営業やセミナー登壇者を務めたこともありましたが、フロントに立つメンバーを支えることが現在の私の主な役割です。当時の経験を活かしながら、営業を担うメンバーや壇上に立つメンバーにとって仕事がしやすい環境を整えることに徹しています
NRIセキュアでは、勤務時間の進め方や時間配分を本人の裁量に委ねる裁量労働制を設立当初から導入しています。また、2016年度からはテレワーク制度も積極的に取り入れるなど、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を推進してきました。
現在の私にとって裁量労働制とは、育児と仕事を両立する上では欠かせない、柔軟な働き方が実現できる制度だと感じています。また、コロナを機に、私も在宅勤務が増えました。現在は、セミナー開催時に出社しているほか、部内のメンバーが定期的に顔を合わせる日以外は、在宅勤務にしています
2023年で15年目を迎える齋藤。入社以来、一貫して大切にしてきたことがあります。
仕事は人生の中で多くの時間を占めるものなので、楽しく取り組みたいと思っています。とくに私は人と話したり、チームで取り組んだりすることが好きなので、関係者と密にコミュニケーションを取るなど、交流の機会を積極的に設けてきました。
たとえば、以前はメールを送った相手がいるところに足を運んで口頭でフォローしていましたが、在宅勤務が増えたことで対面での接触機会を得ることが難しくなった今は、なるべく人が集まるイベントに参加してメンバーの人柄や考えを知るよう努めるなど、オンラインだけで関係を完結させないよう心がけています。
また、どんな仕事にもポジティブに向き合う姿勢も大切にしてきました。楽観的な性格が私の強み。新しいタスクを与えられても、慣れない作業だからとためらうことなく、前向きにチャレンジするようにしています
成長環境に惹かれ、NRIセキュアへ。産休育休を経て変化した働き方
NRIセキュアには新卒で入社した齋藤。入社のきっかけは、親会社であるNRI(野村総合研究所)の会社説明会に参加したことでした。
NRIの会社説明会に参加していたNRIセキュアのリクルーターの方から、若手のうちから大きな裁量を与えられ、さまざまな仕事が経験できる環境があると教えられて興味を持ちました。
というのも、学生時代に小さなソフトウェア会社でSEのアルバイトを経験し、いろいろな業務を任せてもらったことで大きく成長できたと感じていたんです。少数精鋭とも言える規模感のNRIセキュアでなら、自分の成果の組織への貢献を目に見えるかたちで実感できると感じ、入社を決めました
入社後に齋藤が配属されたのは、セキュリティコンサルティングの部署でした。入社前の期待通り、さまざまな業務を経験しました。
PCI DSSと呼ばれるクレジットカード業界のセキュリティ基準への準拠支援サービスの立ち上げに参加したほか、セキュリティ監査やリスク評価、顧客企業の規定の整備などを支援したりもしました。その後、ソリューションの営業部隊に移ってセキュリティ製品の運用・開発・営業などを経て、現在に至っています
齋藤はこれまで3度にわたり産休育休を取得。出産前後の働き方や価値観の変化をこう振り返ります。
子どもができる前は、仕事にも私生活にも全力な毎日。職場の仲間と共にガッツリ働いて、とても充実感を覚えていました。当時の私は、その瞬間に惹かれたことに飛びついていくタイプだったと思います。
ところが、今はうってかわり、ほとんどを計画的にコントロールするように。仕事も私生活も大切にしている点は変わりませんし、今も充実感はありますが、たとえば外で食事する時間を確保するために仕事や家事を調整して時間を作るという具合に、予定を軸に動くタイプに変わりました
そんな齋藤が初めて産休育休を取得したのは2015年のこと。当時、所属している部門での取得経験者は少なかったものの、周囲の反応は好意的だったと言います。
妊娠したことを上司に報告した後に、上司と人事担当者との三者面談があったおかげで、だいたいの流れを理解できました。同僚はとても協力的で、居心地の悪さを感じたことはまったくありません。
部下が産休育休を取得するのは当時の上司にとっても初めてのことだったようで、互いにコミュニケーションや社内研修も挟みながら、対応の仕方を一緒に学んでいくような日々でした
産休育休からの復帰後もフルタイムで勤務。裁量労働制で実現する自由度の高い働き方
復帰後もフルタイムで勤務してきた齋藤。充実した社内制度の存在が安心材料になったと言います。
当社にはマタニティ有給休暇や子の看護休暇などの出産・育児支援制度があります。万が一、体調不良が続いて有給を使い切った場合でも、休める制度が用意されているのはとても心強かったです
そして、齋藤は裁量労働制のメリットを存分に活かし、仕事と育児の両立をこなしてきました。
子どもを迎えに行って食事や入浴を済ませ、寝かしつけた後にふたたび仕事に戻るなど、裁量労働は自由度の高い働き方ができる良さがあります。そのおかげで自分のスタイルで仕事と育児の両立を実現できたと感じています。
突然の発熱で急に迎えが必要になったときは、メンバーにひと言伝えるだけで駆けつけることができたり、検診やワクチン接種を受ける日は午後から出社したり。いちいち休暇届を出す必要がなく、とても助けられました。
何日も前から調整して出張に行ったことも。当時は営業だったので、ノートPCとポケット型Wi-Fiを持って所かまわず仕事をしていた記憶があります
その後、2018年に2度目、2022年には3度目の産休育休を取得した齋藤。途中、部署異動も経験し、新しい職場と仕事に適応してきました。
2度目の復帰後、企画チームの所属となり仕事内容が一変。営業時代はどちらかというと個人の成果が重視されていましたが、チームで協力してタスクに取り組むことが求められました。また当時、マーケティングやプロモーションを担当することになりましたが、何もわからない状態からのスタート。周囲に支えられながら、新しいことが学べる環境を楽しんでいた記憶があります。
ところがその後、1年もしないうちにコロナ禍に突入してしまって。新しい仕事様式に馴染めないまま、3度目の産休育休を取得しました。そのため、復帰時には不安がありましたが、ありがたいことに職場に戻るとチーム内のタスクがきれいに整理されていたんです。私が果たすべき役割も明確だったおかげで、現在も無理なく仕事に取り組むことができています
一方、在宅勤務となったことで家事負担が増えるジレンマを抱えていた齋藤でしたが、家族の協力を得てこれを解消。現在は納得のいく働き方ができていると言います。
コロナ禍の際も夫は出社していたため、在宅勤務の私が家事を任される機会が増えていました。当時、曜日ごとに私か夫のどちらかが家事を分担することにしていました。私の担当が1日多く、その上担当日以外でも、夫が担当の家事が残っていると代わりにやってしまうといった具合で、実際は分担通りの運用ができていなかったんです。
そこで、夫婦で話し合って時間制を導入。朝は夫、夜は私の担当としたことで、家事分担が明確になりました。早朝から仕事に取りかかり、夕方はいっさい仕事を入れないなど、今ではメリハリのある働き方ができています
完璧は求めない。バランスを見つけることが、私の仕事と育児の両立術
キャリアを重ねるにつれ、周囲と連携して仕事を進めることが増えたと話す齋藤。組織の、そして家族の一員として、めざす姿についてこう語ります。
現在の部署ではチーム単位で動く機会が多く、メンバー同士が支え合うことの重要性をあらためて感じています。連携を強化するには信頼関係が欠かせませんが、その鍵を握るのが積極的な情報共有です。いざというときに互いに助け合える環境を整えておくことが大切だと思っています。
家族も同様です。私生活でもカレンダーの共有やタスクの見える化に努め、相手が困っていたり助けを必要としていたりすれば、すぐに気づけるよう心がけています
そんな齋藤が仕事と育児を両立する上で大事にしているのが、完璧を求めないこと。さらに次のように続けます。
家族が健康に暮らせていれば、それで合格。 少しくらい家の中が散らかっていたり、朝食の食器が片付いていなかったりしても、気にしないと決めています。
計画通りにはいかないのが育児です。時間に余裕をもって声掛けができていないと、どうしても自分の語気が強めになってしまうことに気づきました。そこで、子どもたちに動いてもらう必要があるときには、私自身の心の余裕を保つために、時間に余裕をもって行動することを意識し、何をするにも30分の余裕を見るようになりました。どうしても外せない予定があるときは、念入りに準備するようにしています。
もちろん、不測の事態に備え、誰でも見られるところにタスクの進捗を記録してチーム全体で共有することも意識しています
仕事と育児の両立に悩むことはあっても、仕事を辞めたいと考えたことは一度もないと強調する齋藤。育児だけ、仕事だけではなく、両方に力を注ぐことで、心身のバランスが取れていると言います。
仕事も私生活も楽しくバランスよく──そんな“自分らしさ”を軸に据え、齋藤のキャリアはこれからも続いてきます。
※記載内容は2024年4月時点のものです