2020年、NRIセキュアテクノロジーズに中途入社した古川 英明。セキュリティコンサルタントを経験後、自ら志願し、未経験のエンジニア業務にも挑戦しました。社員の自主性を尊重する企業風土のなか、成長スピードを加速させる古川が、会社の魅力や仕事のやりがいについて語ります。
より広く、深く、サイバーセキュリティという仕事に関われるNRIセキュアへ
大学時代、教養学部で社会学を専攻していた古川。課外活動では学生団体に所属し、Webサイトの運営などを担当していました。
ある時、学生団体のWebサイトに大量の不正ログイン試行がありました。不正ログインは一件も成功せず大事には至りませんでしたが、サイバー攻撃は身近なものだと痛感しました。それをきっかけに、サイバーセキュリティに興味を持つようになり、セキュリティ業界を中心に就職活動を行いました。
2018年、新卒でセキュリティ製品ベンダーに入社すると、法人向けに製品を提案する営業職に携わります。
営業先のお客様がメール経由でウイルスに感染してしまい、「今後どのような対策ができるだろうか」とご相談をいただいたことがあって。その際、感染経路や現状の問題点などを整理し、「それぞれにこんな製品を導入しましょう』と提案しました。単に製品を売り込むだけでなく、お客様の課題を把握し、どんな製品をどう使うかというコンサルティング的な提案ができたことに、すごくやりがいを感じたんです。
この出来事から、古川はサイバーセキュリティ分野をもっと広く扱い、技術領域にも携われるような企業への転職を考えるようになります。
実は、大学時代の先輩がNRIセキュアテクノロジーズ(以下、NRIセキュア)に新卒入社していて、社会人になってからも同じ業界で働く者同士、よく話をしていたんです。先輩から、NRIセキュアはお客様へのコンサルティングだけでなく、官公庁のガイドライン作成や様々なセキュリティ製品の提供から運用まで携わっていると聞いて、とてもおもしろそうだと感じました。
転職を決意し、NRIセキュアの面接に臨んだ古川。そこで出会った社員たちの熱量の高さにも惹かれていきます。
毎回3人ほどの面接官が対応してくださったのですが、サイバーセキュリティに対する熱い想いをお互いにぶつけ合うような機会もあって、すごく盛り上がったんです。さらにある面接官の方が、「うちで働いて、ご自身にとって一番良いキャリアステップを築いていくと良いですよ」と言葉をかけてくださいました。この会社は個人の活躍を応援してくれるのだとわかり、「ここで働きたい」という思いが強くなりました。
仕事内容だけでなく、働く人たちの魅力も決め手となって、古川は2020年にNRIセキュアに入社します 。
認証技術への理解を深めるべく、未経験ながらもエンジニア職に挑戦
入社後、デジタルセキュリティコンサルティング部に配属された古川。コンサルタントとして、サービスリスク分析や認証・認可関連のプロジェクトに携わります。
認証・認可関連の案件でいえば、複数のWebサービスを提供しているお客様から「サービスごとにIDとパスワードがバラバラなので、アカウントをひとつに統合したい」といったご相談が多いですね。サービスごとの要望を取り入れながら、最新のセキュリティ技術などの知見をもとにして、どうすれば望ましいID統合ができるかを提案するのが、私たちコンサルタントの役割です。
複数の案件に関わるうちに認証分野への興味が強くなり、より深く学びたいという気持ちが高まったという古川。
上司に「もっと手を動かして技術的なことを学びたい」と伝えたところ、「1年間、製品開発を行う部門に行ってみないか」とお話をいただいたんです。もちろん「ぜひやりたいです」といって引き受けました。
こうして古川は、社内トレーニー制度を使って2021年4月から2022年3月までの1年間限定でソフトウェアビジネス一部に異動。コードを書いたり、サーバー構築をしたりというエンジニア業務に挑戦することになります。
この間、エンジニアとして、NRIセキュアが提供しているBtoC向けの認証サービス「Uni-ID Libra」の開発に取り組みました。「Uni-ID Libra」は、BtoCサービスの顧客ID統合やシングルサインオンなどの機能をパッケージ化したもの。サービスごとに別々のIDとパスワードでログインする手間を解消できるため、多数のサービスを提供している企業と、とくに相性が良いサービスです。
中でも、古川が担当したのは、「Uni-ID Libra」を導入したクライアントからの要望をもとに、追加機能を開発・提供する業務です。
ID管理はデジタルサービスにおける要のような存在であり、ユーザーがサービスを利用するときの入り口にもなります。そのため、お客様からは「離れた場所のIoT端末にログインさせたい」「ログイン認証手段をIDとパスワードでなく、生体認証などを使ったパスワードレス認証にしたい」といった相談を受けるのですが、「Uni-ID Libra」はカスタマイズがしやすいので、ご要望に対して柔軟に対応できるところが魅力です。
文系出身の古川は、これまでプログラミング経験は皆無。それでも、周囲のサポートにより実践的にスキルを身につけることができたと話します。
経験ゼロからエンジニアに挑戦することに、最初は不安がありました。でも、部署内には技術力の高い方がたくさんいて、みんながサポートしてくれたので、どんどん成長できたと感じています。部署を異動したことで、NRIセキュアには優秀なエンジニアがたくさんいること、良いサービスを提供している会社だということを改めて実感しました。
最先端技術に触れ、社会貢献性の高い仕事に携わるのも魅力
入社してからの2年を振り返り、コンサルティングで携わったあるプロジェクトが印象深いと語る古川。それは、認証分野の最先端である「自己主権型アイデンティティ」に関するもので、古川は官公庁向けの調査資料の作成の一端を任されました。
自己主権型アイデンティティとは、これまで政府や一部企業などに管理されていたアイデンティティを、ユーザー自らが個人で管理できるようにする概念です。日本語の文献がまだ少ないため、国外の文献を読み込んだり、国外の有識者にインタビューをしたりした上で、調査報告を数百ページのスライドにまとめました。また、アメリカ合衆国で開かれたカンファレンスで、調査報告について講演する機会もいただきました。半年がかりのプロジェクトでしたが、調査を行う中で芽生えた“デジタルアイデンティティ”への興味が原動力となり、最後まで精力的に取り組むことができました。
現在そのプロジェクトは、調査から学んだ最先端技術を用いて、実証実験の準備をするフェーズに入っています。調査から開発まで一貫して携わることができ、かつその結果を今後フィードバックし続けられる点にもおもしろさを感じています。
社会貢献性の高いプロジェクトに携われること、サイバーセキュリティの最先端技術を学べること─古川は、入社前に思い描いていた「NRIセキュアで働く魅力」をまさに体感しています。
手を挙げて自分がやりたいことを発信すれば、どんどん挑戦の機会を与えてもらえるところは、面接での印象通り。学ぶことを楽しみながら、お客様や社会に貢献できているので、仕事がとてもおもしろいですし、大きなやりがいを感じます。
昨日と同じでいいセキュリティはひとつもない。次世代の第一人者を目指して
変化のスピードが速いセキュリティ業界に携わる者として、古川は「昨日と同じでいいセキュリティはひとつもない」と常に自分に言い聞かせているといいます。
目指すのは、クライアントがセキュリティについて困りごとや課題を抱えているとき、「古川さんに相談しよう」と思ってもらえるような存在。そのためには信頼を積み重ねることが欠かせません。今は目の前の問い合わせや要望に、一つひとつ真摯に対応することを大切にしています。
将来的な目標としては、認証セキュリティの次にやって来る、次世代のセキュリティの第一人者になりたいと思っています。NRIセキュアには、認証セキュリティや他のセキュリティにおける第一人者が数多くいらっしゃるので、私も彼らのような存在になって社会に貢献したいですね。
セキュリティコンサルタントとして入社し、未経験のエンジニア業務にも挑戦してきた古川。最後に、セキュリティ業界やNRIセキュアを志望する方に向けて、メッセージを贈ります。
NRIセキュアは、自分から手を挙げれば、年齢やキャリアに関係なくチャレンジの機会を与えてくれる環境。新しいことを学び続けることが好きな方なら、充実した日々を送れるのではないでしょうか。理系出身の方が多いと思われるかもしれませんが、私のような文系出身者もいます。
サイバーセキュリティは社会全体に関わる重要なテーマなので、私のような社会学だけでなく、経済学や法学など文系のバックグラウンドを持っているからこそ得られる気づきもあるでしょう。さまざまな分野出身のメンバーがセキュリティに携わることによって、社会全体により精度の高い安全や安心を提供できると思います。