コンサルティング事業本部に異動してから最初の仕事は「企業における情報セキュリティ実態調査」だった。この調査はNRIセキュアが2002年から毎年実施しているもので、規模の大きさやデータの継続性などから社会的な注目度も高い。セキュリティコンサルタントとして調査・分析を行い、成長する機会の多いプロジェクトだ。メンバー5人のチームが担当し、私がリーダーに指名された。
アンケート調査では、その年のトレンドとなる事象、たとえばこの時はWindows XPのサポート終了といったトピックがあったが、それらに関する新たな設問を追加した。「何をどう聞くか」が、得られる回答の質を左右する。設問を考え、そして700社近い企業から寄せられた回答の分析を進めながら、いまセキュリティに関して企業や社会が何を課題にし、どう対応しようとしているのか。どこに課題感を持っているのかということを俯瞰しながら探った。報告書が完成した後は記者発表を行い、私も登壇して報告した。内容はネットの記事で取り上げられ、自分の視野の広がりやセキュリティ分野で社会に確かな影響力を持っているという実感があり、充実感があった。
おそらく、コンサルティング業務には2種類があるだろう。1つは最先端の知識・技術を駆使して、次に来るものをいち早く示すこと。もう1つは、ベーシックな知識・技術の普及を進め、社会全体の意識の底上げを図ることだ。コンサルといえば前者のイメージが強いが、それだけではないことを知った。同時に、自分には後者の「底上げ」が似合っているのではないかとも感じた。自分なりのコンサルタント像が見えてきた時期だった。
アンケート調査では、その年のトレンドとなる事象、たとえばこの時はWindows XPのサポート終了といったトピックがあったが、それらに関する新たな設問を追加した。「何をどう聞くか」が、得られる回答の質を左右する。設問を考え、そして700社近い企業から寄せられた回答の分析を進めながら、いまセキュリティに関して企業や社会が何を課題にし、どう対応しようとしているのか。どこに課題感を持っているのかということを俯瞰しながら探った。報告書が完成した後は記者発表を行い、私も登壇して報告した。内容はネットの記事で取り上げられ、自分の視野の広がりやセキュリティ分野で社会に確かな影響力を持っているという実感があり、充実感があった。
おそらく、コンサルティング業務には2種類があるだろう。1つは最先端の知識・技術を駆使して、次に来るものをいち早く示すこと。もう1つは、ベーシックな知識・技術の普及を進め、社会全体の意識の底上げを図ることだ。コンサルといえば前者のイメージが強いが、それだけではないことを知った。同時に、自分には後者の「底上げ」が似合っているのではないかとも感じた。自分なりのコンサルタント像が見えてきた時期だった。