NRIセキュアテクノロジーズ(以下、NRIセキュア)のセキュリティコンサルタント手柴 瑞基は、自動車の情報セキュリティを専門とする株式会社NDIASに出向し、車両セキュリティに関するコンサルティング業務や法規調査等を担当しています。自動車セキュリティのスペシャリストを目指す彼が、どのようにして現在のポジションにたどり着いたのか、その背景や想いを語りました。
車両セキュリティに関するコンサルティング業務や法規調査を主に担当
NDIASでセキュリティコンサルタントを務める手柴。車両セキュリティにおけるコンサルティングや、法規・規格標準の調査および対応の支援をしています。
「NDIASには技術系・非技術系の業務があります。私はその中でもコンサルティングとハッキング技術の調査を行うチームに所属し、コンサルティング業務や法規調査を主に担当しています。
自動車セキュリティに関連する法規の調査を行い、その結果を整理しお客様にご説明しています。ご希望があれば調査結果に基づいてお客様社内の文書等に対するアドバイザリー業務も行っています。前職のコンサルタント業務で培ったアセスメント、ドキュメンテーション能力も活かすことができています」
今の環境は自由度が高く、やりたいことが実現できる環境であると言います。
「以前の会社では特定のクライアントに対して長期的にサポートを行っていましたが、NDIASでは数カ月ごとに新しい案件が舞い込む環境で、多様なプロジェクトをこなす日々です。
案件へのアサインについては、どんな案件や業務に対応したいか、上長と確認をしながら進めることができています。様々な案件に携わることで、幅広くスキルアップできていることを感じています。
本年度は4月から半年ほどアセスメント案件に携わっていたのですが、そろそろ違う案件に携わりたいと思い、つい最近も上長に相談をして、今は法律関連のアドバイザリー案件の対応を始めています。来年からは、診断、ペネトレーションテスト業務にもチャレンジしていく予定です」
学生時代から、自動車セキュリティについての研究に没頭
大学で情報工学、情報ネットワークを専攻していた手柴は、2019年に新卒で大手コンサルティングファームに入社。ドキュメンテーション、コンサルティング等自動車メーカーの製品開発支援に従事していました。
「自動車セキュリティについては学生当時から興味があり、特別制度を利用して3年から研究室に入れてもらい、研究に没頭していました。研究を始めた当時の2015年ごろは自動車セキュリティの黎明期で、やればやるほど実績となるようなブルーオーシャンの時代でした。研究を続ける中で、黎明期から研究を続けている自分なら自動車×セキュリティのスペシャリストになれると思いました。
社会人となってからも、『自動車セキュリティといえば手柴』と想起される人間になるにはどうすればよいか?と考えました。当時の環境でも多くのスキルを得ることができましたが、技術的な面に携わる機会が少ないことに次第に疑問を持つように。もっと自動車セキュリティの専門性を深めたいと感じていました」
転職活動を始めたとき、偶然にもNDIASとの出会いがありました。
「学生時代によく参加していたイベントや勉強会で出会った、現在の上長でもあるNDIASの上松さんから偶然にもSNSで連絡をもらいNDIASを知りました。実はそれまでNDIASという会社を知りませんでした。
転職活動を行う中で、自動車セキュリティに携わることができるか、ペネトレーションテスト等の技術的な業務にも携われるか、自己研鑽を続けられるか、自分のスキルを活かせるかといった軸を決めて、様々な自動車関連企業を受けていました。その中で、自動車×セキュリティを続けたいと思っていた自分にとってはNDIASが一番合っていました」
2023年にNRIセキュアに入社後NDIASへ出向して、NDIASの環境についてとても魅力を感じたと言います。
「NRIセキュアに入社し、NDIASに出向してからは、まずは前職でのスキルを活かして、案件をしっかりとこなし、自分のできることをアピールしていくことに注力しました。年度末に近い11月に入社をしたこともあり、年度末向けの重めな案件等も対応していました。即戦力としてしっかり対応することで、手柴という人間をNDIAS社内で知ってもらい、認めてもらうことができたと思っています。
NRIグループというと技術力の高い尖った人材の集団といったイメージがあったのですが、業務を通じて技術力だけじゃなく、トーク力、ペーパーワーク等いろいろなスキルを役立てることができる環境だと感じました。
NDIASでの業務を通じて、自分と同じように自動車セキュリティ・技術が好きな人々が多く集まっているところにとても魅力を感じています。以前の職場では、セキュリティ業務は利益を生み出す手段として扱われがちで、セキュリティ自体が好きだからこそ追求したいという人は少なかったです。専門的な知識を持つプロフェッショナルと一緒に最新のセキュリティ動向を追い、シンパシーを感じながら楽しく働くことができています」
お客様が喜び、信頼を寄せていただけることが最大のやりがい
▲趣味の登山では日本の百名山を中心に登っています
繁忙期で多忙な時期もありますが、社内には技術に精通したエキスパートがいるため、わからないことがあればすぐに相談できるのが心強いと語ります。
「年に数回、繁忙期で忙しい時期もあって、タイミングによっては前職よりも忙しい時もあるかもしれないです。前職でプロジェクトマネージャ業務を通じて培ったスケジューリングやリスク管理のスキルを活かして乗り切っています。自分でも驚くのですが、自身がプロジェクトマネージャを務める案件が炎上したことがないので、スケジューリングやリスク管理は得意な方だと思っています。
趣味で登山をしているのですが、登山経験で培ったリスク判断の能力や、メンタル、フィジカルも仕事に活かされているのかもしれません。
また、NDIAS社内には技術に精通したエキスパートがたくさんいるので、わからないことがあってもすぐに相談できるのがとても心強いです。NDIASには自動車、セキュリティのバックグラウンドがないメンバーもいて、様々なバックグラウンドを持つ人材が集まっているのですが、先輩たちのサポートがあるので、安心して仕事ができています」
100%やりきるコンサルタントとして努力を惜しまずに仕事をしているという手柴。
「コンサルタント、エンジニアとして仕事をする上でお客様に対して、100%やりきる姿勢を何よりも大切にしています。成果物に対して、納得がいくところまで徹底的に調べ尽くし、最良のアドバイスを提供するための努力は惜しみません。お客様に喜んでいただき、信頼を寄せてもらえることが、一番のやりがいです。
NDIASでは、技術に詳しい同僚が多いので、仕事やコミュニケーションを通じて、セキュリティ業界の最先端に触れられることもやりがいの一つです。常に最新の技術や法律に対応できる環境が整っていて、こうして得た知見も活かすことで、自動車セキュリティのプロフェッショナルとしてお客様へ提供するサービスがよりよいものになっているのだと思います」
自動車×セキュリティのスペシャリストを目指して
▲NDIASのオフィスにて。DEF CONグッズ等が飾られていて見ているだけでワクワクします
自動車セキュリティにおけるスペシャリストになるという目標を前に手柴は今後に目を向けます。
まずは、目の前の仕事にしっかり取り組んで、お客様に真摯に向き合っていきたいと思っています。技術はもちろん、コンサルティングや法規等、専門性を高めるためにも得意分野をどんどん伸ばしていきたいです。
将来的には、自動車のセキュリティ分野といえば『手柴がいるよね』と名前を思い浮かべてもらえる存在を目指しています。そのためにも、ブログの執筆やセミナー登壇等、対外的に発信していく機会も増やしていきたいです。自分自身とNDIASのプレゼンスに貢献できるように取り組んでいくつもりです。
自動車業界におけるセキュリティは今後も広がり、NDIASの規模も大きくなっていくと思いますが、『エンジニアの楽園』として、多様なバックグラウンドを持つエンジニア、コンサルタントが集まり、共に成長できる環境であり続けてほしいと思っています」
そして「これから一緒に働きたい人材」としては、このようなイメージを持っています。
「はじめに、車が好きな人がいいなと思います。たとえセキュリティの知識がまだ少なくても、興味を持って学びたいという意欲のある人が合うのではないかと思っています。自動車セキュリティ業界は日々変化を続けていますので、車や機械への興味と与えられたタスクを自分ごととして進めていける自主性が求められると感じています」
自動車セキュリティのスペシャリストを目指して、「100%やりきる」という姿勢でお客様と向き合い続ける手柴は、新たな仲間が増えることを心待ちにしています。
※ 記載内容は2024年10月時点のものです