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サイバーセキュリティのスキルギャップを埋める|SANSトレーニングの意義とその効果

目次

    サイバーセキュリティのスキルギャップを埋める|SANSトレーニングの意義とその効果

    近年、サイバー攻撃はますます高度化し、複雑さを増しています。企業や組織が直面するセキュリティリスクは日々変化し、それに対応するためのスキルや知識のアップデートは欠かせません。しかし、サイバーセキュリティに関わるエンジニアは、今どのようなスキルを学ぶべきか、どうやってそれを効率的に学べばいいのか等、悩むことが多いのではないでしょうか?

     

    そんな中、セキュリティ業界において信頼、実績ともに確固たる地位を築いているトレーニングプログラムがあります。それが「SANSトレーニング」です。SANSは、初心者から上級者まで、あらゆるレベルのセキュリティ技術者に向けて設計された、実践的かつ最新のサイバーセキュリティ技術を学べるトレーニングプログラムを提供しています。

     

    SANSトレーニングを受講することで、実際にどのようなスキルが得られるのか?また、SANSの認定資格を取得することでどのようにキャリアに役立つのか?本稿では、SANSトレーニングがサイバーセキュリティのスキルを強化する最良の方法である理由と、その具体的なメリットについて詳しく解説します。

     

    はじめに

    近年、サイバー攻撃はますます高度化し、複雑さを増しています。企業や組織が直面するセキュリティリスクは日々変化し、それに対応するためのスキルや知識のアップデートは欠かせません。しかし、サイバーセキュリティに関わるエンジニアは、今どのようなスキルを学ぶべきか、どうやってそれを効率的に学べばいいのか等、悩むことが多いのではないでしょうか?

     

    そんな中、セキュリティ業界において信頼、実績ともに確固たる地位を築いているトレーニングプログラムがあります。それが「SANSトレーニング」です。SANSは、初心者から上級者まで、あらゆるレベルのセキュリティ技術者に向けて設計された、実践的かつ最新のサイバーセキュリティ技術を学べるトレーニングプログラムを提供しています。

     

    SANSトレーニングを受講することで、実際にどのようなスキルが得られるのか?また、SANSの認定資格を取得することでどのようにキャリアに役立つのか?本稿では、SANSトレーニングがサイバーセキュリティのスキルを強化する最良の方法である理由と、その具体的なメリットについて詳しく解説します。

    セキュリティ人材不足の現状

    サイバーセキュリティ業界は、現在急速に成長を続けています。しかし、それに伴って深刻な課題が浮き彫りになっています。それは「セキュリティ人材の圧倒的な不足」です。

     

    セキュリティ人材にとっても、急速に進化する脅威に対応し続けることは、非常に困難です。セキュリティインシデントのリスクが増える中、適切なスキルや対応ノウハウを持ち合わせていなければ、対応が遅れ、組織が危険にさらされる可能性があります。

     

    実際、多くの企業がサイバー攻撃の脅威にさらされ続けているにもかかわらず、適切なスキルを持つ人材を確保できていないという状況が続いています。

     

    NRIセキュアの調査(NRI Secure Insight2023)では、日本企業の約9割がセキュリティ人材不足と回答しており、直近10年で同様の傾向が見られます。また、日本企業のセキュリティ人材不足は企業規模によらない共通の課題であることも示されています。

     

    セキュリティ人材の充足状況

    セキュリティ人材の充足状況

     出典:NRI Secure Insight 2023

     

     

    また、(ISC)2の2024年の調査によると、世界中でサイバーセキュリティの専門家が不足しており、その数は約480万人に達していると報告されています。世界の労働力ギャップの図

    出典:ISC2:2024 ISC2 Cybersecurity Workforce Study

     

     

    このギャップは、企業のデジタル化が進むにつれてさらに広がりを見せる傾向にあります。特に中小企業においては、高度化するサイバー攻撃に対して、専門的なセキュリティ対策が十分に取れないケースが多く、結果としてサイバー攻撃の被害に遭いやすい状況になっていると言えるでしょう。

    セキュリティ人材不足への打ち手:SANSトレーニングの重要性

    こうした人材不足を補うためには、企業内のサイバーセキュリティに関連するエンジニアが短期間で実務に役立つスキルを習得していく必要があり、そのためにはセキュリティの研修・教育が重要になってきます。中でもSANSトレーニングはその解決策として注目されています。

     

    SANSトレーニングは、企業の現場で実際に役立つスキルを短期間で学べるように設計された内容であり、セキュリティエンジニアの育成において効果的です。

     

    SANSトレーニングには以下のような特徴があります。

    特徴① 実践的なトレーニング

    SANSのトレーニングは、リアルなサイバー攻撃シナリオに基づいたハンズオン形式で進行します。ただ講義を聞くだけの座学に留まらず、実際に手を動かしながら学ぶことができます。実務で直面するようなサイバー攻撃シナリオを想定した演習や、仮想環境を利用した攻撃と防御のシミュレーションを行うことで、即戦力となるスキルを効率的に習得できます。

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    特徴② 多様なコース

    SANSトレーニングの大きな特徴の一つが、幅広い分野をカバーしたコース設計です。セキュリティの基本から高度なエクスプロイト開発まで、あらゆるスキルレベルに対応したコースを提供しています。これにより、初心者から上級者まで、それぞれのスキルレベルに応じて学習を進めることができます。コース選択に迷ったらお気軽にご相談ください(お問い合わせ窓口はこちら

    初心者向けコース

    初心者に最適なのが「SEC401: Security Essentials: Network, Endpoint, and Cloud」です。このコースでは、基本的なセキュリティ技術を網羅しており、セキュリティの世界に初めて足を踏み入れる方に適しています。組織のシステム管理や情報セキュリティに必要な理論、本質的な要素となるセキュリティ技術について学ぶことができます。SEC401

    中級者向けコース

    ある程度の経験があり、脆弱性診断やペネトレーションテストの業務に従事している方には、「SEC560: Enterprise Penetration Testing」がオススメです。このコースでは、エンタープライズレベルのペネトレーションテスト技術を実践的に学ぶことができます。ペネトレーションテストのプロセスを、実際に攻撃を再現しながら学ぶことで、脆弱性を発見し、修正策を提案する能力が身につきます。中級者向けコース

    上級者向けコース

    ペネトレーションテスター向けに、より上級者向けのコースがあります。「SEC760: Advanced Exploit Development for Penetration Testers」では、最も難易度の高いエクスプロイト開発や高度な脆弱性分析技術を学びます。カーネルデバッグやパッチ解析、リモート攻撃技術など、高度なスキルが要求されるセキュリティ技術者向けのコースです。06

    特徴③ グローバルに通用する認定資格

    SANSトレーニングの大きなメリットの一つとなっているのが、受講後に取得できるGIAC(Global Information Assurance Certification)認定資格です。GIACは、世界中のセキュリティ業界で信頼されている認定資格で、取得することでセキュリティエンジニアとしての信頼性が大幅に向上します。

     

    例えば、「GIAC Penetration Tester (GPEN)」は、ペネトレーションテストに特化した資格で、企業における脆弱性診断のスキルを証明することができます。また、エキスパート向けには「GIAC Certified Exploit Researcher and Advanced Penetration Tester (GXPN)」があり、高度なエクスプロイト開発技術を持つ技術者として認められます。07

    特徴④ 最新の脅威に対応したカリキュラム

    サイバーセキュリティの脅威は日々進化しており、SANSのカリキュラムもそれに応じて更新されています。例えば、ランサムウェアやEmotetといった最新のマルウェア、クラウドセキュリティ、IoTのセキュリティに関するコースも展開されています。これにより、受講者は常に最新のセキュリティ動向にキャッチアップできるスキルを身につけることができます。

    特徴⑤ 世界中で活躍する講師が講義

    SANSトレーニングは、日本に限らず、全世界のセキュリティ最先端で活躍する講師が講義を担当します。これにより、日本国内の視点に留まらず、グローバルなセキュリティ対策を学ぶことができます。

     

    • 日本語同時通訳付き:
    • 全てのコース(※OnDemandは除く)には日本語同時通訳が付き、受講者が言語の壁を感じることなく学べる環境が整っています。さらに、「SEC401」や「SEC504」については、日本語での講義が行われるため、より理解しやすくなっています。

    SANSトレーニングの事例

    株式会社ラック

    SANSトレーニングを活用して大きくスキルアップを果たした事例もあります。株式会社ラックの熊丸氏は5年間で3度のSANSトレーニングを受講し、業務に即した知識を体系的に学び、具体的なスキルを磨くことができました。08

    東日本電信電話株式会社(NTT東日本)

    NTT東日本電信電話株式会社では、SANSトレーニングを導入し、社内のセキュリティ人材のスキル向上を目指しました。同社では、ペネトレーションテストやインシデントレスポンスに必要なスキルを短期間で身に付けるため、SANSの実践的なカリキュラムを積極的に活用しています。結果として、社内のセキュリティ対応力が向上し、より迅速かつ効果的なインシデント対応が可能になりました。09

    さいごに

    サイバーセキュリティの脅威が増大する現代において、セキュリティエンジニアには常に最新のスキルと知識が求められています。SANSトレーニングは、その課題に対応するためのソリューションの一つです。豊富なコースラインアップ、実務に直結したハンズオン形式のトレーニング、そして国際的に認められたGIAC認定資格により、SANSは世界中のセキュリティエンジニアが信頼する学びの場となっています。

     

    セキュリティ人材不足の今、セキュリティエンジニアとしてスキルアップをし、社会的に高まるセキュリティへのニーズに応えていくために、SANSトレーニングの活用を視野に入れてみてはいかがでしょうか。sans