シスコ、野村総合研究所、NRIセキュア、日本企業向けデジタルトラスト分野で協業を推進シスコのグローバル脅威インテリジェンスを活用したセキュリティサービスの共創へ

シスコシステムズ合同会社（本社：東京都港区、社長執行役員：濱田 義之、以下「シスコ」）、株式会社野村総合研究所（本社：東京都千代田区、代表取締役 社長：柳澤 花芽、以下「NRI」）、NRIセキュアテクノロジーズ株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：建脇 俊一、以下「NRIセキュア」）は、社会インフラを支える企業をはじめとする日本企業のサイバーレジリエンス^[1]強化に向けて、デジタルトラスト分野で2025年10月に協業（以下「本協業」）を推進することで合意しました。

協業の背景

近年、サイバー攻撃はますます巧妙かつ複雑化する一方で、企業が保護すべきIT資産は、クラウドや生成AIなどの技術進化に伴い、急速に拡大しています。こうした状況下で企業のサイバーレジリエンスを高めるためには、シスコが提供する最新のグローバルな脅威インテリジェンス^[2]をリアルタイムに収集・分析し、迅速かつ能動的なセキュリティ対策を講じることが有効です。このアプローチに基づき、日本企業向けに最適化されたセキュリティサービスを共創するため、3社がそれぞれの強みを活かし、協業を推進することで合意しました。

協業の重点分野と取り組み

本協業では、以下の分野にフォーカスし、段階的にサービスの開発を進めていきます。NRIが長年培ってきたシステム開発力とITインフラに関する技術力、NRIセキュアのセキュリティサービスの運用ノウハウ、GRC（ガバナンス・リスク・コンプライアンス）コンサルティングの知見、そしてシスコの脅威インテリジェンスやセキュリティ製品・テクノロジーを組み合わせることで、より高度で実践的なセキュリティサービスを共創していきます。

１．セキュリティアーキテクチャの共同設計による強靭なシステム基盤の実現

NRIおよびNRIセキュアが提供している「NRIデジタルトラスト」^[3]に、シスコの有するセキュリティ技術を活用します。企業システムの最適なセキュリティアーキテクチャ（セキュリティ対策の全体構成）を3社共同で構想・設計し、強靭なシステム基盤の実現に取り組みます。

２．グローバル脅威インテリジェンスにおける連携と新たなサービスの共創

NRIデジタルトラストのコンポーネントの一つでセキュリティ監視・運用を担う「サイバーフュージョンセンター」^[4]において、NRIセキュアのインシデント対応サービスと、シスコのグローバル脅威インテリジェンスならびにSplunkのデータ分析プラットフォームを連携させ、企業のサイバーレジリエンス強化を図ります。まずは2025年内に、シスコのグローバル脅威インテリジェンスをNRIセキュアのセキュリティログ監視基盤に連携し、同社の監視サービスの高度化を図ります。その後、新たなサービスを3社で共創していきます。

３．AIセキュリティとPQCに関するソリューションの検討

現在多くの企業で課題となっている、AIのセキュリティ確保と耐量子計算機暗号（PQC）^[5]の2つの領域においても、3社が持つノウハウと知見を組み合わせて、関連ソリューションを検討していきます。

各社からのコメント

シスコシステムズ合同会社　社長執行役員　濱田 義之

このたび、野村総合研究所様およびNRIセキュアテクノロジーズ様とのデジタルトラスト分野における協業を発表できることを大変嬉しく思います。サイバーセキュリティを取り巻く環境は、かつてないほど活発化・複雑化しており、攻撃者の勢力も拡大しています。人材不足に直面する日本企業のセキュリティ担当者は、自社が攻撃を受けた際、その影響や問題箇所を迅速に特定し、対応することが必要です。今回の3社における取り組みでは、セキュリティ人材不足を補完し、シスコが誇るグローバルインテリジェンスとマシンデータを収集するSplunkのデータ分析プラットフォームを活用した新たなセキュリティサービスを提供し、これからのAI時代における日本社会全体の安心・安全なデジタル環境づくりに引き続き貢献してまいります。

株式会社野村総合研究所　常務執行役員 IT基盤サービス担当　大元 成和

このたび、シスコシステムズ様との協業を推進できることを、誠に光栄に存じます。デジタル化が一層加速する社会において、サイバーセキュリティはインフラの根幹を支える極めて重要な要素です。
シスコシステムズ様が世界をリードする先進的テクノロジーと脅威インテリジェンス、そしてNRIグループが長年培ってきた「社会・顧客への深い理解」および「実装力」を融合させることで、日本のセキュリティレベルを新たな次元へと引き上げ、安全・安心な未来社会の実現に大きく貢献できると確信しております。

NRIセキュアテクノロジーズ株式会社　代表取締役社長　建脇 俊一

シスコシステムズ様との協業を推進できる運びとなり、大変喜ばしく思っております。世界最高水準の脅威インテリジェンスを持つシスコシステムズ様と、当社が培ってきたセキュリティ監視・運用の専門知識を掛け合わせることで、巧妙化するサイバー脅威に対し、より高度で実践的な防御策をお客様に提供できると確信しています。3社の強みを結集し、日本企業のサイバーレジリエンス強化に貢献してまいります。

3社は、本協業を通じて、デジタルトラスト分野における技術連携とサービス開発を継続的に推進し、日本企業の事業展開と社会の持続的な発展に貢献していきます。

[1] サイバーレジリエンス：サイバー攻撃を受けた際に、事業の完全性、目的、継続性を維持しつつ、その脅威に対処できる企業の適応能力を指します。

[2] 脅威インテリジェンス：攻撃者の意図・手法・環境などに関する情報を整理・分析し、有益な知識として活用可能にしたものを指します。

[3] NRIデジタルトラスト：システムライフサイクル全体でのサイバーセキュリティとオペレーショナル・レジリエンス（業務の強靭性、復旧力）の確保を目的としたプラットフォームサービスで、各種ガイドラインや法規制に準拠したセキュリティ機能があらかじめ組み込まれています。詳細は、2025年2月12日付のニュースリリース（https://www.nri.com/jp/news/info/20250212_1.html）をご参照ください。

[4] サイバーフュージョンセンター：24時間365日でイベントやログをAI分析し、XDR（Extended Detection and Response）による継続的な検知と対応を強化します。セキュリティインシデント発生時には、アクセス権限の動的制御や迅速な封じ込め、バックアップデータの復元などを行うことができ、インシデントによる影響の最小化を図ることができます。

[5] 耐量子計算機暗号（PQC：Post-Quantum Cryptography）：量子コンピュータにより現行の暗号が破られるリスクに対抗するための暗号技術です。

ご参考

シスコシステムズ合同会社について

シスコは、AI時代において組織を新しい方法でつなぎ、保護する世界屈指のテクノロジー企業です。シスコは40年以上にわたり、世界をセキュアにつないできました。すべての人にとってよりつながりのあるインクルーシブな未来を実現することをパーパスに掲げ、業界を牽引するAIソリューションやサービスを通じて、お客様、パートナー、コミュニティがイノベーションを実現し、生産性を向上させ、デジタルレジリエンスを強化できるよう支援しています。

*Cisco、Cisco Systems、およびCisco Systemsロゴは、Cisco Systems, Inc.またはその関連会社の米国およびその他の一定の国における登録商標または商標です。本書類またはウェブサイトに掲載されているその他の商標はそれぞれの権利者の財産です。「パートナー」または「partner」という用語の使用はCiscoと他社との間のパートナーシップ関係を意味するものではありません。(1502R)

株式会社野村総合研究所について

野村総合研究所（NRI）は、1965年に日本初の民間総合シンクタンクとして誕生して以来、長年にわたり、企業戦略の提案や政策提言、システム開発・運用を行ってきました。「新しい社会のパラダイムを洞察し、その実現を担う」「お客様の信頼を得て、お客様とともに栄える」を企業理念に掲げ、「コンサルティング」「金融ITソリューション」「産業ITソリューション」「IT基盤サービス」の4事業を通じて、国内外の企業・行政の活動や、社会・暮らしを支えています。グループ従業員数は16,000人を超え、世界16か国・地域でグローバルに事業を展開しています。

NRIセキュアテクノロジーズ株式会社について

NRIセキュアテクノロジーズは、野村総合研究所（NRI）グループの情報セキュリティ専門企業です。1995年、インターネットの可能性と情報セキュリティの重要性にいち早く着目し、NRIの社内ベンチャーとしてスタートしました。国内外の関連資格を取得し世界レベルの研鑽に励んだスペシャリストが、金融、流通、製造など様々な業界の企業から官公庁に至るまで、幅広いお客様の情報セキュリティに関する課題解決を支援しています。コンサルティングからソリューション導入、教育、運用、監視までの各種サービスの提供を通じて、お客様の情報セキュリティに関するあらゆるニーズに「ワンストップ」で対応し、安全・安心なデジタル社会の実現を目指しています。

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